「春先や秋口になると抜け毛が増えた気がする」多くの人が季節の変わり目に髪の抜け方が変わることを実感します。特に美容やヘアケアに関心のある方にとっては不安の種です。
私もお客様の相談で「季節ごとに抜け毛が増える」という悩みを頻繁に聞きます。
抜け毛が増えるということは今後の見た目だけでなく、心の負担にもなりますよね。
この記事では、季節性抜け毛の季節ごとの具体的対策とともに、頭皮鍼（とうひしん）がどう役立つ可能性があるかを分かりやすく解説します。
まずは季節ごとの原因を知り、日常でできる予防策を取り入れつつ、頭皮鍼を検討する際のポイント（期待できる範囲・安全性）まで実践的に紹介します。
一時的な抜け毛か持続的な脱毛かで対応が変わります。
まずはご自身の抜け毛のパターン（時期・量・全体か局所か）をチェックしましょう。
最後に、今日から始められる季節別ケアチェックリストと、頭皮鍼を試すなら押さえるべきポイント（質問リスト）を載せておきますので、まずは1点だけ実行してみてください。
季節性抜け毛とは
結論として、季節性抜け毛は「正常な毛周期の季節変化による影響」や「季節特有の外的・内的ストレス」によって一時的に抜け毛が増える現象で、多くの場合は数週間〜数ヶ月ほどで改善します。
ただし長期化すると別の原因を疑う必要があります。
通常の場合でも1日50〜100本前後くらい髪は抜けていきます。
移動中や洗髪時などにも抜けるためあまり抜けているという実感もないと思います。
季節性抜け毛の主な原因
人間の毛周期（成長期・退行期・休止期）は厳密に一定ではなく、季節によって休止期（抜けやすい時期）の割合が変動するという報告があります。ある大規模解析では、夏に休止期の割合が最大になり、春にも小さなピークがあると示されています。つまり夏のダメージが秋に抜け毛として現れるといった時間差も考えられます。
引越し、進学・就職など環境変化が多い春は心理的ストレスや生活リズムの乱れが起きやすく、ストレス性の一時的な抜け毛を引き起こす場合があります。
強い紫外線は頭皮・毛髪の表面を傷つけ、毛幹の脆弱化や頭皮炎症を招きやすいです。
夏に受けたダメージが数週間〜数か月後に抜け毛として表出することがあります（秋の抜け毛増加の一因）
冬場の乾燥や冷えによる血行不良は、頭皮環境を悪化させ、フケやかゆみから抜け毛増加へつながることがあります。季節ごとのケアで改善可能です。
季節のイベント前後で無理なダイエットなどがあると、タンパク質や鉄など栄養不足が頭髪に影響します。（例：海やプールで水着を着たい、健診で何かしら数値が高いと言われた）
特に女性では食行動の季節差が影響することがあります。（食欲の秋）
頭皮鍼（とうひしん）とは ？ 何が期待できるか
頭皮鍼は頭皮の浅い層に鍼を刺入し、局所の血流改善や筋や腱膜の調整を通じて頭皮環境を整えることを目指す手技です。
直接的に「発毛を約束する」ものではありませんが、抜け毛の軽減や頭皮のコンディションの変化に一定の作用が期待できます。
一部の臨床研究では、鍼治療や鍼＋併用療法が脱毛（各種原因）に対して有用であった報告が存在しますが、研究の質や対象、施術法が多様であり、全ての脱毛で有効性が確立されているわけではありません。
結論を出すにはまだ限定的な部分もあります。
頭皮鍼と髪に関する論文やデータの報告は続いており、エビデンスは増えつつあります。
頭皮鍼は比較的安全ではありますが、感染防止（使い捨て鍼の使用）、出血やふらつき（頭部の血流が増える可能性）、局所の痛みといった副反応の可能性があります。
免疫抑制状態、高出血リスクのある方、また皮膚疾患が明らかな場合は事前に医師・鍼灸師と相談が必要です。
季節性抜け毛に対する現実的なアプローチ
【結論】季節性抜け毛は多くの場合生活習慣の改善＋頭皮ケアでコントロール可能で、頭皮鍼は補助的な選択肢として前述している血流や筋肉などへのアプローチで併せて行うことでより抜け毛の期間を短くできる可能性があります。
一方、抜け毛が長期化する・局所的に進行する・皮膚症状が強い場合は皮膚科受診を優先することが大切です。
- 春：睡眠とストレス管理、栄養バランスの維持（鉄・タンパク質・ビタミン類）
- 夏：紫外線対策（帽子・UVスプレー）、シャンプーでの優しい洗浄、汗による菌の増殖を抑える
- 秋：夏ダメージのケア（保湿、頭皮のピーリング※もおすすめ）※過度には行わない、髪の栄養補給
- 冬：保湿と血行促進（暖かいタオルやマッサージ、加湿）
※各季節ともに「過剰ケア」は逆効果になることがあるため適度に。
- 刺激の少ないシャンプーを選び、洗い方（優しく指の腹で洗う）、ドライヤー時は強い摩擦を避ける
- 紫外線に対しては頭皮用のUVケアや帽子を適宜使用
- 食事：たんぱく質と鉄、ビタミンB群、ビタミンD、亜鉛を意識
- 目的を明確に：一時的な季節性の改善補助や頭皮の血行改善、頭皮の硬さ緩和など「期待できる範囲」を説明できる施術者を選びましょう
- 施術頻度と期間：即効性を期待せず、数回〜数ヶ月の継続で変化をみる（個人差あり）
- 安全確認：感染管理（きちんと消毒して施術されるかなど）
- 他との併用が大丈夫か：美容院でのヘッドスパなど単体では問題ないとおもいますが、ヘッドスパ後に頭皮鍼をおこなったり、皮膚科的治療と並行する場合は担当医や鍼灸師と相談するのが安心です
さいごに
季節性抜け毛は自身のケアすることで多くは改善しやすいことが多いです。
ただし、ご自身では対処しにくい体の不調（首こりや肩こりなど）に頭皮鍼は対応できる可能性があります。
頭皮鍼は頭皮の浅層に局所鍼を行い、血流改善や局所刺激を与える施術です。
季節性の抜け毛による見た目の不安を軽減し、頭皮の健康を保つための血行改善やリラックス効果が期待され、生活習慣改善と組み合わせることで個人差はありますが抜け毛改善・予防の手助けをできる可能性があります。
- まずは2週間のセルフチェックを実施してください：抜け毛の本数（ブラッシングや排水口の目安）、時期、かゆみや発赤の有無を記録
- 「抜け毛が明らかに増えた」「3か月以上続く」「局所的に進行する」場合は皮膚科受診を優先してください。
- 今すぐできること：帽子や頭皮用UVケアで紫外線対策、優しく丁寧な洗髪、睡眠と栄養の見直し。
- 頭皮鍼を試す場合は、質問リスト（施術回数、衛生管理、禁忌、費用）をもって初回相談に行くことをおすすめします。
